【映画】やっとあの「君の名は。」を見てみました。【ネタばれありです】

 去年の夏に公開され、大ヒットを記録した新海誠監督の長編アニメ映画「君の名は。」。昨晩ようやくDVDでみてみました。

 今朝起きてから、この映画について考えてみたことをまとめてみました。

 


何度でも見返したくなるのはなぜ?

 映画の中のあのシーンやこのシーン、あのセリフこのセリフ、どれがどうつながっていたのだろう。いろんな想いが頭の中からあふれてきそう。もう一度、早回しで見直して気になるところをしらみつぶしに見てみたい!

クセになるわけ

 この映画が大ヒットになった要因の一つが、何度でも劇場に足を運んだリピーターの存在。疑問が次々湧いてきて、また観たくなるのです。それはなぜ?

 時間や空間を超えてストーリーが展開している上に主人公同士の心と体が入れ替わるため、どこで誰が何をしたか再確認したくなること。登場人物のバックグラウンドの説明が少なめで、見る人が想像力に委ねられている部分が多いこと。

ピクサーとは、ちょっと違う

 同じアニメでも、ピクサーのアプローチとは違うようです。

 優秀なスタッフを多く配置し、熱いディスカッションを繰り返しながら完成度の高い作品を練り上げていくのがピクサーのやり方。ピクサーのDVDには制作過程を事細かに説明した映像がおまけについてくるのですが、この映画にはそれはなく、知りたかったらもう一度見て自分で考えましょう!と促されているような気分すらします。

 そのあたりが熱心なリピーターを多く生み出す一方、「なんかピンとこない」という感想を持つ人もいるのでは。

カテゴライズするとどんな作品?

タイムスリップSFに災害パニック映画、スイーツ映画の要素を加えたもの、です。

タイムスリップSF

 主人公が、自分やその周囲に起こる「不都合な出来事」を何とかするために時空を超えて何とかする、というもの。

金字塔的な作品

  映画も制作されていますが自分は観ていません

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災害パニックSF映画

 自らに降りかかる大きな災害を、主人公たちが何とか回避しようとして奮闘する映画

そのほとんどが、ハッピーエンドで終わるのですが、そうと分かっている観客をぎりぎりまでハラハラドキドキさせるのが制作側の腕の見せ所。

こんな映画がありました

  • メテオ(1979年のアメリカ映画)*脚注参照
  • サマー・ウォーズ(2009年の日本のアニメ映画、細田守監督)

s-wars.jp

コンセプトを娯楽作品に昇華する工夫

突飛なアイデアを娯楽作品に仕立てるには

クラスメートや職場の仲間がいきなりこんなこと言いだしたらどう思いますか?

「両親が不仲な原因が過去にあるみたいなので、時間を遡って解決してくるよ」

「自分の事業が将来どうなってるか知りたいから、30年ほど冷凍睡眠するつもりだ」

「巨大な隕石が地球に衝突する、世界中の核兵器で破壊しよう」

「僕らの生活を陰で支えているネットインフラが暴走している。悪いプログラムをゲームでやっつけよう」 

 先に紹介した名作たちのコンセプトなのですが、突然にこんなこと言われても、全くリアリティを感じません。

 映画でもそれは同じで、突飛なアイデアをすっと観客に受け入れてもらうために製作者は工夫を凝らします。

  • BTTFではユニークなメカや博士のキャラ立ち
  • 夏への扉」はSF小説であると同時に「猫小説」といわれる位、猫のピートの記述に重点が置かれています。
  • 「メテオ」では、政治家や科学者間のスリリングなやり取りが見もの。
  • サマーウォーズ」では、信州の山間の集落に集まった大家族が、サイバー世界で起こっている災厄に立ち向かという設定。
では「君の名は。」では?

 最近、若手俳優による実写版の甘い恋愛映画が流行っているようで(「スイーツ映画」っていうのでしょうか?)「君の名は。」では、重たい主題をスイーツな味付けで仕上げることで、うまくヒット作品に昇華させていると思いました。

ヒロイン、宮水三葉

 男女二人の主人公による物語ではあるのですが、やはり印象に残るのは17歳のヒロイン、宮水三葉

 「三葉 かわいい」などと検索すると、劇中の三葉さんの愛らしいショットが出るわ出るわ。映画を見てないひとからするとそこまで入れ込むか?なんですけど、見終わってからすっかりとりこになる人続出の模様。

 アニメ映画のヒロインって、キャラやあったり成長する過程がわかりやすいのが特徴だと思うんですよね。ナウシカとか千尋とか、細野アニメに出てくる人たちとか。

 三葉さんはそのあたりがわかりにくい。そこがいい。

 クラスでは下位カーストなの?家族との関係は?成績いいの?運動神経いいの?おとなしいの?行動力あるの?もしかして特殊能力の持ち主?

 そのあたりがあんまり描かれてないんですよね。劇中で男性主人公の瀧君と何度も入れ替わり、この発言や行動はどっちがしとるんや?と思わせているのでなおさら。

 意図的なのか、いろんな要素盛り込んだために描き切れていないのか。

一つはっきりしているのが、スリムなのにおっぱいが大きいということ(笑)

 役柄とセクシーさのギャップはまるで、綾瀬はるかさんのようですね。

 観客を惑わせるような、魅了しているような。

 

こんな要素も、ヒットの理由でしょうか

災害映画としての「君の名は。

 東日本大震災以降、我々日本人が災害について思いをはせることが多くなりました。

 危険が迫った際に、どう察知するか、どう伝えるか、その指示にどこまで強制力を持たせるのか、誰が決断するのか、避難方法はそれでいいのか。

 答えのない問いが繰り返されていますし、いまだに防災無線が不調で伝わらなかったとか、被害がそこまで及ぶのは想定外だったとか、そんな事例があるようです。

 一方で被災者となる人は全体のごくごく一部、大多数はテレビやネットでその状況を断片的に知り、同情はするもののスイッチを切ったとたんにそれらは他人事となります。

 この映画にはそんな今の日本の雰囲気が取り入れられています。

 津波や土石流、テロリズムではなく夜空を彩る彗星で表現したのは、映像に映えることと、それが引き起こす被害の悲惨さとのコントラストを考えてのことでしょう。

 

絵が美しいのはこの映画の特徴か?

 この映画を見た人へのインタビューで印象に残るのが「絵が美しかった」。

確かに美しいのですが、細田守監督の作品も見ている自分としては新海監督の作品のみ突出して美しいか、と考えるとちょっとわかりません。今後の課題です。

 

音楽について

 そもそもこの映画を知ったきっかけがロックバンドRADWINPSの曲「前前前世」。

ラジオでこの曲を聞き、それから「君の名は。」という映画を知りました。ビートのきいたいわゆるノリのいい曲ですよね。

 映画の中でもずっとこんな曲が鳴り響いているのかと思い、ちょっと敬遠していたのですが、思いのほか抒情的で心に染み入る曲が多かったように思いました。そもそも「前前前世」は主題歌ではなく挿入歌なんですね。

この曲が前面に出るようなアプローチをしたはなんでかな?
と思っています。

 

おまけ(蝶々結び/Aimer)

 この映画、そしてこの映画の音楽に触れた人にお勧めしたい曲があります

RADWIMPS野田洋次郎さんが歌手のAimerさんに提供した楽曲「蝶々結び」

www.youtube.com

野田さんのみずみずしい感性が伝わる、素敵な曲ですね。

瀧君と三葉さんにぴったりの曲では、と思いました。

 

*映画「メテオ」について。

 小学生の時に見た際にはなんてすごい映画だ、と感動したのですが最近の映画評を見ると低評価が多い。コンセプトは斬新だったけど、時代を超えた作品にはなれなかったようです。