【読書日記】捨てられる銀行2 非産運用 【経済心理学+仕事論、&少々の投資の指南】

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書名:捨てられる銀行2非産運用
著者:橋本卓
出版時期:2017年4月20日
出版社:講談社現代新書

 

どんな本か?

  • 異色かつ王道を歩くエース、森金融庁長官の目指すものを記した著書第二弾
  • その考え方を、松下幸之助ドラッカーの言葉や行動心理学の視点から読み解く
  • 金融界にとどまらず、自分にとって仕事とは、お金とは?まで考えさせられる本

異色かつ王道を歩くエースが”ぶち込んだ”爆弾

下記のリンクから、その爆弾講演のPDF資料へ飛べます

http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf

 また、森講演とその周辺については、よくまとめておられるブログがありましたので貼らせていただきます。

本書は、この講演がなされた経緯、森長官の足跡と目指すものについての説明、

そして金融界と我々の将来がどうなるべきかにつき、説明しています。

 

日本の金融業界は変わらなければならない

  • ここ20年位、欧米の個人資産は増えているのに日本は増えていない
  • 1700兆円の個人資産が、生かされないまま塩漬けになっている
  • 日本の人口は減り、成長戦略の担い手となるべき産業界も変化が激しい 
  • この資産を効率よく増やすことが、日本再生の1つの柱になる
  • 自分たちの利益を稼ぐことだけに血眼になっている業者に明日はない

日本の個人投資をめぐる現状

  • お預かりした財産の運用益から自分たちの「手数料」をまず差し引き、残を還元
  • 理由をつけて投資信託の買い替えを勧め、そのたびに「手数料」を徴収
  • 銀行の窓口の売り手には多くの「手数料」が残る商品をお客様に勧めるよう指示
  • 「売る人」と「アドバイスをする人」は別なはずなのに、混同されている
  • お客様に利益が残るやり方の提案ではなく、義理と人情でお願いして売る
  • 大手だからといってロジカルな提案をしている訳ではなくお願い営業が主
  • 円とドルにバランスよく投資という言葉に乗り外貨預金を購入する人が多い
  • 為替の変動が自分の生活に大きく響いた実感のある人がどれだけいるのか?
  • 外貨商品は購入のたび手数料が発生、だから金融機関は外貨商品を勧めるのだ

 

フィデューシャリー・デューティー

  • 信託(トラスト)という言葉をかみしめよう
  • 信託とは、契約(コントラクト)よりも古く存在していた概念
  • 契約とは、提供する役務とそれに対する報酬についての取り決め
  • 信託とは、顧客や臣民の財産を守ることで社会の安寧を図ること
  • 自分たちの利益確保を第一に考えている金融機関は、信託を名乗る資格がない

 

行動心理学と顧客心理をふまえた施策

  • 顧客である各預金者のマインドを正しい方向に導くことも重要
  • 資金を効率的に増やすためには、利益を配当に回さず、複利で増やすべき
  • 日本の預金者は使うあてがなく、また元本割れの要因になるとしても毎月の分配金のあるサービスを選んでしまう
  • 投資の知識がないため、財産を銀行預金のみに預けていることはリスクである。
  • 自分の判断で商品を選び、結果に自分で責任を取る投資家を育てることが大切
  • 確定拠出年金の加入者が少しずつ投資に関心を持ち始めている
  • 半強制的な施策ではあるが、アメリカもこの方法で個人資産を増やしてきた

 

仕事論としての本書

 いままで疑いもなく行ってきた仕事への取り組み方、考え方のままでは未来はない。やるべきことを自覚し、果断に実行することが今の時代、求められている。

 ただ、人の行動はそうそう合理性だけを求めてなされるものでもない。

 だから、そう仕向ける仕組みを考え、実施し、皆を目指すゴールに向かわせることが必要なのだ。

 

 著者が「金融業界ならでは」と述べていた営業のありかた、提案ではなくお願いでごり押しする売り方などは、我々の業界でもよく発生しています。

 そもそもロジカルシンキングなる概念もまだ十分には育っていないでしょう。

 

 本書は、

  • 個人投資家として心がけること、
  • 金融業界の現状を他山の石とし、自分の属する業界を変えていくこと

 この二つの心得を読者に伝授しようとしているのだと思いました。

 

自分はどうするか?

  • 息切れしない程度に、少しずつ現金資産を投資に振り向ける
  • 状況を、記録にとどめPDCAを回す
  • 月々、お小遣い程度の利益が残る仕組みを作ってみる

    投資といえば誰かが得をすれば誰かが損をするゼロサムゲームというイメージがありましたが、そうでもないような気がしてきました。

    誰と争うわけでもなく、判断と行動が正しければいくばくかの結果が残る。

    投資がそういうものなのなら、挑戦するのも悪くないですね。

 

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