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【書評】心が折れる職場

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どんな本?

  • 経験豊富なカウンセラーが、自分の経験から「心が折れる職場」の実態を説明
  • ありがちな通説や、安易な講習会は状況の改善にはつながらないことを指摘
  • 働きやすい職場とは何か、を掘り下げて説明

 

心が折れる職場って、どんなの?

  1. 皆優秀で出世頭
  2. 論理的な説明ができる
  3. 皆てきぱきと私語をせずに仕事を進めている
  4. 業務が終わると皆さっと帰る。帰り道のちょっと一杯がない
  5. メンタルヘルス講習が実施されている

これらはみな、一見するとよい職場のようですが、実は危ない職場の例です。

表面的な情報に、惑わされないようにしよう

今の世の中、ネットに情報はあふれています。

心の問題に対する関心は高く、情報バラエティ番組でも多くの情報を得られます。

人はだれしも、一定の社会経験を積めば、それなりに論理的なことは言えます。

だから表面的な意見や情報も多く、そのことがかえって問題を悪化させています。

心を折るのは、何?

ある人が、頭上に風呂桶を持っています。

風呂桶には、蛇口から水が流れ込んでいます。

今はまだ耐えられますが、そのうち一人では耐えられない重さになります。

風呂桶はもちろん例えです、どんどん負荷が増えていくメンバーがいたら、周囲はどう対応すべきでしょうか。

  1. 「蛇口をひねって水の流入を停めてあげるよ?」
  2. 「栓を抜いて、水を放出すればいいんじゃないの?」
  3. 「君の頑張りは認めているよ」
  4. 「大変だね、君の気持はわかるよ」

本人はどう思っているでしょうか?

この状態で何を言われても、蛇口をひねることも、栓を抜くことも、桶を下すこともできないのだから、具体的なサポートが必要なのです。

特に2.のアドバイスは愚の骨頂としか思えないのですが、実際にはこのような発言をする人がことのほか多いのです。

大切なのは、一緒に向き合うこと

最初の質問に戻りますが

  1. 優秀な人がいても、困っている人の「風呂桶」を一緒に卸す人はいない
  2. 説明が論理的でも、自分目線でしか問題をとらえていない、解決策を出さない
  3. てきぱきと仕事をするが、困っている人は助けない
  4. ちょっと一杯がなく、雑談をする機会がない
  5. メンタルヘルス講習で表面的な知識を得ても、目の前の問題を解決できない

こういう職場では、心が折れてしまう人が出やすいのです。

困っている人に「それはあなたの仕事でしょ」と言い放つ職場かどうか。問題に皆で取り組む空気があるかどうか。管理者が、自分の上司、部下とどのような関係を結んでいるか、メンバー同士の関係性が大事なのです。

自分自身も変わらなくては

その一方「心が折れやすい人」にも一定のパターンがあります

  • 未来のために努力できず、刹那の欲望に流れる
  • 理不尽な上下関係に慣らされた経験がない
  • 趣味が少ない
  • 職場以外に、自分を承認してもらえる場がない

 簡単に言うと、学生時代に部活動で何かに熱心に取り組んだ経験がある人は心が折れにくい(レリジエンスが高い)し、そうでない人は心が弱い傾向にあるようです。

 なので、少しでも自分の活動パターンを変えて、折れにくい心を獲得する努力もまた必要なのです。 

講習の落とし穴

 職場における心の問題は、社会問題の一つといっても過言ではなく、各企業はメンタルヘルスについての講習を従業員に行っています。

 が、冒頭にも述べた通り、必ずしもそれらの教育が問題解決に結びついてはいないようです。

 うまくいかない講習のパターン

  • テレビなどで説明されている浅い内容しか教えない
  • 受講者は、知ってることしか説明されないので心が動かない
  • 心が動かないので、自分は何も変える必要がないと思い込む
  • 「睡眠は重要」「規則正しい生活を」といったお決まりのセリフしか覚えない
  • どうすればそれらを実現できるか、どの程度の数量が適切か知らない
  • 生活習慣の改善まで踏み込んで説明しないし、できない

 

問題解決すべての根は同じ

 ここまで話を進めると、これらの事項は決して職場のメンタルヘルスに限った話ではないな、と思い当たります。

 問題解決の手法は全て同じです

  • あるべき姿、を設定する

  • 現状とあるべき状態のかい離具合を把握する

  • 原因をヒト、モノ、組織の観点から特定する

  • パターンや法則は参考にするものの、杓子定規な適用はしない

  • 当事者に寄り添い、かかわりあうことで問題解決を目指す

  • 自己アピールのためにアドバイスや改善提案は無意味

おまけ

①著者は、やさしさと厳しさ、しっかりした理論と豊富な現場経験を持ち合わせたスーパーカウンセラーである一方、非常に多趣味、特にバーベキューに思い入れが強く

バーベキューをしすぎる家族として取材されたことがある

位なんだそうです。

思わずクスッとしてしまいました。

 

自分もこうありたい、と思わせてくれるのも良いアドバイザーの条件ですね。

②この本を読んだ後に作成した「チャレンジシート」添付しておきます。

 

 

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